【25回】第2章 Ⅲ 体の局所に現れる副作用 循環器系に現れる副作用
Ⅲ 症状からみた主な副作用
循環器系に現れる副作用(うっ血性心不全・不整脈)
はじめに
登録販売者試験を目指しているみなさまこんばんは。いよいよ試験まであとわずかですね。日々の勉強、おつかれさまです。暑い日が続いていますが、夏バテに気をつけてくださいね。
今日は循環器系に現れる重篤な副作用について解説していきます。
こちらも毎年のように出題される重要分野です。
「心不全」と「不整脈」はどちらも心臓に関係する副作用ですが、原因や症状、対応方法が異なります。
また、「動悸」「息切れ」「むくみ」など似た症状が多く、試験では比較問題として出題されやすいポイントです。
この記事では、初心者の方でもイメージしやすいように例え話を交えながら解説します。
比較しながら覚えましょう。
うっ血性心不全
どんな副作用?
うっ血性心不全とは、
心臓のポンプ機能が低下し、全身へ十分な血液を送り出せなくなる病態です。
その結果、送り出せなかった血液が肺にたまり(うっ血)、さまざまな症状が現れます。
医薬品によって発症することもあり、心不全の既往歴がある人は特に注意が必要です。
イメージしよう
心臓をポンプだと考えてみましょう。
正常ならポンプは勢いよく水を送り出します。
しかしポンプの力が弱くなると、水が出口へ流れず途中でたまってしまいます。
肺では、この「水」が血液です。
つまり、
肺が血液で渋滞してしまう状態
が、うっ血性心不全です。
そのため呼吸が苦しくなったり、咳が出たりします。
主な症状
- 息切れ
- 疲れやすい
- 足のむくみ
- 急な体重増加
- 咳
- ピンク色の痰
これらの症状が現れた場合は、
うっ血性心不全を疑い、早めに医療機関を受診します。
試験対策ポイント
- 心臓のポンプ機能低下
- 肺に血液がたまる(うっ血)
- 足のむくみ・急な体重増加
- ピンク色の痰
- 心不全の既往歴がある人はリスクが高い
- 早期受診が必要
受診の目安
息切れやむくみ、急激な体重増加などが現れたら、
原因と思われる医薬品の使用を中止し、早期に医師の診療を受けます。
💡 豆知識
「うっ血」は血液が混雑して流れにくくなることを意味します。
道路の渋滞をイメージすると覚えやすいですね。
不整脈
どんな副作用?
不整脈とは、
心臓の電気信号(自動性・興奮伝導)の異常によって、
心臓の拍動リズムが乱れる状態です。
薬によって発症することがあり、重症になると命に関わることがあります。
イメージしよう
心臓は、
一定のリズムで動くメトロノーム
のようなものです。
通常は
「トクン、トクン、トクン」
と規則正しく動いています。
しかし不整脈では、
「トクン……トトトン……」
のようにリズムが乱れます。
このため十分に血液を送り出せず、
めまいや失神を起こすことがあります。
主な症状
- めまい
- 立ちくらみ
- 疲労感
- 動悸
- 息切れ
- 胸の不快感
- 脈が飛ぶ(脈の欠落)
- 失神(重症例)
試験対策ポイント
- 心筋の自動性・興奮伝導異常
- 拍動リズムが乱れる
- 失神することがある
- 直ちに使用中止
- 速やかに医師を受診
- AEDが必要になることもある
- 腎機能・肝機能低下や薬の相互作用でリスク上昇
- 高齢者では特に注意
- 本人だけでなく家族にも注意点を伝える
受診の目安
症状が現れたら、
直ちに原因と思われる医薬品を中止し、速やかに医師を受診します。
失神した場合は、
AEDの使用を考慮し、救急医療を受ける必要があります。
💡 豆知識
AED(自動体外式除細動器)は、
危険な不整脈によって心臓が正常に動けなくなったときに、
電気ショックで正常なリズムへ戻すための医療機器です。
その他の循環器系の副作用
循環器系に持病がある人では、
医薬品によって症状が悪化することがあります。
特に
- 高血圧
- 心臓病
と診断されている人は注意が必要です。
医薬品の「相談すること」には、
使用前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談すべきケースが記載されています。
イメージしよう
心臓や血管を
古くなったホース
に例えてみましょう。
そこへ急に水圧がかかると、
負担が大きくなります。
同じように薬によって
- 血圧が上がる
- 心拍数が増える
ことで心臓に負担がかかることがあります。
主な症状
- 動悸(心悸亢進)
- 一過性の血圧上昇
- 顔のほてり
試験対策ポイント
- 循環器疾患がある人は慎重投与
- 使用禁忌の医薬品もある
- 使用上の注意「相談すること」を確認
- 動悸・血圧上昇・ほてりが出たら使用中止
- 症状によって医師を受診
比較表
| 特徴 | うっ血性心不全 | 不整脈 |
|---|---|---|
| 原因 | 心臓のポンプ機能低下 | 心臓の電気信号の異常 |
| イメージ | ポンプの力不足 | メトロノームのリズムが乱れる |
| 主な症状 | 息切れ・むくみ・体重増加・ピンク色の痰 | 動悸・めまい・立ちくらみ・失神 |
| 特徴 | 肺に血液がたまる | 心拍リズムが乱れる |
| 対応 | 早期受診 | 使用中止・速やかに受診 |
| 重症例 | 呼吸状態悪化 | AEDが必要になることもある |
試験ではここが狙われます!
登録販売者試験では、症状の組み合わせや対応方法が頻繁に問われます。
ひっかけポイント
✅ うっ血性心不全では足のむくみ・急な体重増加・ピンク色の痰が特徴です。
✅ 不整脈では動悸・脈の欠落・めまい・失神が特徴です。
✅ 不整脈は直ちに医薬品を中止し、速やかに受診します。
✅ 失神時にはAEDの使用を考慮することがあります。
✅ 高齢者では腎機能・肝機能の低下や併用薬との相互作用に特に注意します。
症状と対応を入れ替えた問題や、「どちらの副作用の特徴か」を問う問題がよく出題されます。症状・原因・対応をセットで覚えることが合格への近道です。
過去問にチャレンジ!
過去問にチャレンジ!(令和7年度・関西広域連合)
【問79】
循環器系に現れる医薬品の副作用に関する記述の正誤について、
正しい組合せを選べ。
- a うっ血性心不全とは、全身が必要とする量の血液を心臓が送り出すことができなくなり、肺に血液が貯留して、種々の症状を示す疾患である。
- b 心不全の既往がある人は、薬剤による心不全を起こしやすい。
- c 不整脈の種類によっては失神することもあり、その場合には自動体外式除細動器(AED)の使用を考慮する。
- d 高血圧や心臓病等、循環器系疾患の診断を受けている人は、心臓や血管に悪影響を及ぼす可能性が高い医薬品を使用してはならない。
選択肢
| a | b | c | d | |
| 1 | 正 | 正 | 正 | 正 |
| 2 | 誤 | 誤 | 正 | 正 |
| 3 | 誤 | 誤 | 誤 | 正 |
| 4 | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
| 5 | 正 | 誤 | 正 | 誤 |
▶ 解答・解説を見る
正答: 1
- a: 正しい。うっ血性心不全は、心臓が全身へ十分な血液を送り出せなくなり、肺に血液が貯留することで症状が現れる疾患である。
- b: 正しい。心不全の既往がある人は、薬剤による心不全を起こしやすいため注意が必要である。
- c: 正しい。不整脈の種類によっては失神することがあり、その場合は危険な不整脈の可能性があるため、AEDの使用を考慮する。
- d: 正しい。高血圧や心臓病など循環器系疾患のある人は、心臓や血管に悪影響を及ぼす可能性がある医薬品について注意が必要である。
出典: 令和7年度 登録販売者試験(関西広域連合)
次の記事はこちら
今回は、循環器系に現れる副作用として、うっ血性心不全や不整脈について学びました。
心臓に関わる副作用は、早めに気づいて適切に対応することが大切です。
症状や特徴をしっかり覚えておきましょう。
次回は、「泌尿器系に現れる副作用」について解説します。
腎臓や尿の通り道では、薬の影響によって思わぬ副作用が起こることがあります。
次の記事でも、難しい内容をイメージしながら、試験で狙われるポイントを一緒に確認していきましょう。
👉 次回:泌尿器系に現れる副作用へ続きます


