【第11回】第2章 人体の働きと医薬品 泌尿器系(その2:尿路)

みなさん、こんにちは。
登録販売者のためのゆる学習講座第11回。少しづつ進んでいます。
前回は腎臓の働きについて見てきましたね。腎臓が血液をろ過して「尿のもと」をつくるところまでは理解できたでしょうか?
今回はその続き、「尿路(にょうろ)」についてお話します。腎臓で作られた尿は、そのまま体の外に出るわけではありません。通り道があって、しっかり運ばれ、必要なときに排泄できるようになっています。
今回はその「通り道」の中でも、膀胱(ぼうこう)と尿道(にょうどう)を中心に学んでいきましょう。
◆尿路の大まかな説明
尿路は、腎臓でつくられた尿を体外へ運ぶ通路のことをいいます。
正しい流れは次のとおりです。
腎臓(腎盂) → 尿管 → 膀胱 → 尿道 → 体外
この中で「膀胱」は一時的に尿をためる袋、「尿道」は最後に尿を外に出す道です。どちらも健康や生活の質に直結する、とても大切な器官なんです。
◆膀胱(ぼうこう)
膀胱は、腎臓から尿管を通じて送られてきた尿を一時的にためる「袋」のような臓器です。
通常は数百mL(成人で300〜500mL程度)までためることができ、ある程度たまると「尿意(にょうい)」を感じるようになっています。
ポイント整理
- 尿を一時的にためる臓器
- 通常、300〜500mL程度ためられる
- 尿がたまると、膀胱の筋肉がふくらみ、神経を通じて「尿意」を感じる
- 排尿時には、膀胱の筋肉(排尿筋)が収縮して、尿道に押し出される
👉 「トイレに行きたい!」と感じるのは、膀胱がしっかり働いているおかげなんですね。
◆膀胱括約筋(ぼうこうかつやくきん)
- 尿道の出口をしめて、尿がもれないようにしている筋肉
- 膀胱がいっぱいのときも、この筋肉がしっかり閉じていれば尿はもれない
- 排尿時には、この筋肉がゆるむことで、尿が外に出ていく
👉 この「膀胱括約筋の働き」が、尿をためる・出すをコントロールしているカギです。
◆高齢者の尿失禁
- 加齢によって、膀胱の筋肉や括約筋が弱くなると「尿がもれやすく」なる
- 女性は出産経験などで筋肉が弱くなりやすい
- 男性は前立腺肥大によって排尿障害や尿失禁につながることも
👉 「咳やくしゃみでちょっともれてしまう」というのもよくある例です。
◆前立腺肥大(ぜんりつせんひだい)
前立腺は男性特有の臓器で、膀胱のすぐ下に位置し尿道を取り囲んでいます。
加齢により前立腺が肥大すると、尿道を圧迫して排尿がスムーズにできなくなります。
特徴
- 中高年以降の男性に多い
- 尿が出にくい(排尿困難)、夜間頻尿、残尿感などの症状
- 放置すると尿路感染や腎臓への影響が出ることもある
👉 今回は「尿路の構造と働き」としてここまで。
市販薬との関わり(排尿困難が悪化するリスク)は、第3章主な医薬品とその作用のところで解説します。
◆尿道(にょうどう)
尿道は、膀胱にたまった尿を体の外へ排出する通り道です。
男女で長さや構造が異なり、それが病気のかかりやすさにも関係しています。
ポイント整理
- 膀胱から体外へ尿を出す管
- 男性は長く(約20cm)、女性は短い(約3〜5cm)
- 女性は尿道が短いため、細菌が膀胱に入りやすく「膀胱炎」が起こりやすい
- 排尿は、膀胱の収縮と尿道の括約筋(しめる筋肉)のゆるみが協力して行われる
それではさっそく過去問を解いてみましょう!
過去問にチャレンジ!(令和7年度・関西広域連合 後半)
【問66】
泌尿器系に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
- a 左右の腎臓と膀胱は、尿管でつながっている。
- b 尿は血液が濾過されて作られるため、糞便とは異なり、健康な状態であれば細菌等の微生物は存在しない。
- c 尿の排泄において、膀胱の出口にある排尿筋が緩むと、同時に膀胱壁の膀胱括約筋が収縮し、尿が尿道へと押し出される。
- d 男性では、加齢とともに前立腺が肥大し、尿道を圧迫して排尿困難等を生じることがある。
a | b | c | d | |
---|---|---|---|---|
1 | 誤 | 正 | 正 | 誤 |
2 | 正 | 誤 | 正 | 正 |
3 | 誤 | 正 | 誤 | 正 |
4 | 正 | 誤 | 正 | 誤 |
5 | 正 | 正 | 誤 | 正 |
【第9回】第2章 人体の働きと医薬品 泌尿器系(その1:腎臓)
【第10回】第2章 人体の働きと医薬品 泌尿器系(その1:副腎)
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