G-MMT7GF2LZ8 【第2章】人体の働きと医薬品Ⅰ脳や神経系の働き
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【第17回】第2章 人体の働きと医薬品 脳や神経の働き

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登録販売者試験対策 第2章「人体の働きと医薬品」:神経系

こんにちは!登録販売者を目指す皆さま、お疲れさまです。

最近めっきり涼しくなり、秋めいてきましたね。秋の空はとてもきれいで、見ているといろんなことを思い浮かべてしまいます。

けれど、そんな中でも私たちの体は、心臓が動いたり、呼吸をしたり、熱いものに触れたらパッと手を引っ込めたり、無意識にも絶え間なく活動を行っています。

この“体の動きを統合してコントロールしている司令塔”が、脳と神経系です。
神経系は、全身に張り巡らされた「超高速の情報通信ネットワーク」のようなもの。
今回は、このネットワークがどんな仕組みで体を動かしているのか、そして試験でよく出る薬との関わりをやさしく整理していきましょう。


🔍 神経系の構造:中枢と末梢で連携プレー

神経系は大きく分けて、次の2つのグループからなります。

  • 中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい):体全体の動きをコントロールする司令塔
  • 末梢神経系(まっしょうしんけいけい):司令塔の指示を体のすみずみまで伝える実行部隊

イメージで言うと――

中枢神経は「本社(脳・脊髄)」、末梢神経は「全国にある支店や配送ルート」みたいなもの。

神経は、神経細胞(ニューロン)という細胞が連なってできています。
細胞の一部である「軸索(じくさく)」が細長く伸びており、これが神経線維
と呼ばれる情報伝達ケーブルの役割を果たしています。


🧩 中枢神経系:脳と脊髄のはたらき

名称どこにある?どんな役割?
脳(のう)頭の中感覚・運動・記憶・感情・意思などを統合する司令塔
脊髄(せきずい)背骨の中脳と体のあいだで情報を中継。反射(無意識の動き)にも関与

脳の下部にある視床下部(ししょうかぶ)は、自律神経やホルモン分泌をコントロールする重要な部位です。


💡 神経のはたらきと体の守り方

1. エネルギー消費の王者「脳」

脳はとても働き者!
全身のわずか2%ほどの重さしかありませんが、次のように大量のエネルギーを使います。

  • 血液の循環量:約15%
  • 酸素の消費量:約20%
  • ブドウ糖の消費量:約25%

それだけ、脳が休みなく活動しているということですね。


2. 🛡️ 脳を守るバリア:血液脳関門(けつえきのうかんもん)

脳の血管は特別な構造をしており、有害な物質が簡単に通り抜けないようになっています。
これを血液脳関門といいます。

  • 大きな分子やイオン化した物質は通しにくい
  • 小児ではこの関門が未発達で、薬の成分が脳に届きやすい

→ 試験でも「小児は薬の影響を受けやすい」という点がよく出題されます!


3. 🫀 生命維持の要:延髄(えんずい)と脊髄反射

脳の下にある延髄は、「命のスイッチ」を守る場所。
心拍(心臓中枢)や呼吸(呼吸中枢)など、生きるために欠かせない機能を調節しています。

また、脊髄には「脊髄反射」という仕組みもあります。
熱いものに触れた瞬間、考えるより先に手が動く――これは脊髄が直接反応しているからです。
まさに“瞬発力担当”ですね。


⚙️ 末梢神経系:体性と自律のふたつの働き

末梢神経系は、次の2つの働きに分かれます。

  1. 体性神経系 … 自分の意思で動かす運動(随意運動)や、痛み・温度などを感じる感覚の神経
  2. 自律神経系 … 無意識で体をコントロール(呼吸・血流・消化など)する神経

☯️ 自律神経系:「アクセル」と「ブレーキ」の関係

自律神経は、車の運転にたとえると分かりやすいです。

神経例えるとはたらき
交感神経系アクセル緊張やストレスに対応して体を活発に(心拍数UP・血圧UP)
副交感神経系ブレーキ食事や休息時に体をリラックス状態に(消化促進・心拍数DOWN)

この2つの神経は、同じ臓器をお互いに反対方向からコントロールします(=二重支配)。
一方が強く働けば、もう一方は休む――そんな“バランスの呼吸”で体を保っています。


💊 薬と神経の関係:伝達物質を味方につけよう

神経が情報を伝えるときに使うのが「神経伝達物質」。
それぞれの神経で、使う“メッセージ物質”が違います。

神経系放出される伝達物質イメージ
交感神経系ノルアドレナリン興奮・活動モード
副交感神経系アセチルコリンリラックス・休息モード

ただし例外もあります。
汗腺を支配する交感神経では、アセチルコリンが放出される点に注意です!


🧪 試験でよく出る成分名

伝達物質作用を強める成分(作動成分)作用を抑える成分(抗作用成分)
アドレナリンアドレナリン作動成分(興奮を高める)抗アドレナリン成分(興奮を抑える)
アセチルコリンコリン作動成分(リラックスを促す)抗コリン成分(リラックスを抑える)

✅ 試験での押さえどころ(ここは出る!💡)

  • 中枢神経系は「脳と脊髄」で構成される
  • 脳は心拍出量の約15%、酸素の約20%、ブドウ糖の約25%を消費する
  • 血液脳関門は小児では未発達 → 薬の影響を受けやすい
  • 自律神経は「交感神経(アクセル)」と「副交感神経(ブレーキ)」のバランスで体を調整
  • 汗腺を支配する交感神経の末端ではアセチルコリンが放出される

🌿 まとめ

神経系は一見むずかしそうに感じますが、
「司令塔(脳と脊髄)」と「伝達ネットワーク(末梢)」、
「アクセル(交感)」と「ブレーキ(副交感)」のバランスをイメージすればスッと整理できます。

次回は、自律神経と薬の関係をもう少し深掘りしていきましょう。
焦らず、少しずつ積み重ねていけば必ず理解できますよ🌱

過去問にチャレンジ!(令和7年度・関西広域連合)

【問71】
脳や神経系の働きに関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。

  • 視床下部は、自律神経系、ホルモン分泌等の様々な調節機能を担っている。
  • 脳の血管は、末梢の血管に比べて物質の透過に関する選択性が低く、タンパク質などの大分子やイオン化した物質は、血液中から脳の組織へ移行しやすい。
  • 脳は脊髄と、延髄でつながっており、脊髄には、心臓中枢や呼吸中枢等がある。
  • 末梢神経系は、体性神経系と自律神経系に分類される。
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ドラッグストアで働く登録販売者。 50代 太陽双子座/月乙女座 【趣味】 新しいものが好き。 ベランダで植物を育てています。 最近はまっていること:パン作り/ 俳句・短歌/ アプリにて英語学習継続中
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