【第8回】第2章 人体の働きと医薬品 リンパ系

こんにちは。今回はリンパ系のお話をしていきますね。その前にひとつ。
令和7年度(2025)の登録販売者試験、続々と解答速報が上がってきていますね。もう確認はされましたでしょうか。
今回のブログでは登録販売者試験には問題がどんなふうに出るのか慣れていただくために、学習の最後に今年大阪府(関西広域連合)で実際に行われた試験問題を例として載せてみました。まずはご自身で解いてみてくださいね。”回答はこちら”のボタンから正解と解説を見ることができます。
では、さっそく参りましょう!
リンパ系のしくみをやさしく学ぼう
「血液が体を流れているのは知っているけれど、リンパってなに?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
実はリンパ系も、私たちの体を守るために欠かせない“もうひとつの流れ”なんです。
リンパ液とは
血漿の一部が毛細血管からしみ出し、組織のすき間にたまった液体があります。血漿とほぼ同じ成分から成りますが、たんぱく質が少なく、免疫細胞であるリンパ球を含んでいます。それを回収して流しているのが「リンパ液」です。
言ってみれば、体の中の“余分な水分”や“不要物”を集める掃除屋さんのような役割です。そのほとんどは毛細血管から吸収されて血液に還元されますが、一部はリンパ管に入ってリンパ液になります。
リンパ管とは
回収されたリンパ液を運ぶのが「リンパ管」。
静脈のように逆流防止の弁がついていて、リンパ液が一方通行で流れる仕組みになっています。
細いリンパ管が合流して太くなり、最終的には鎖骨下静脈で血液に戻されます。
リンパ節とは
リンパ管の途中にあるのが「リンパ節」。
ここはまるで関所のように、細菌や異物をチェックする場。
免疫細胞が集まっていて、体を守る最前線で活躍します。
首やわきの下、足の付け根など触れる場所に多くあります。
脾臓(ひぞう)もリンパ系の一員
左上腹部にある「脾臓」もリンパ系の仲間です。
古くなった赤血球を処理したり、血液中の異物に対して免疫応答を起こす働きがあります。
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試験に出る重要語句とポイント整理
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リンパ液
・血漿がもとになってできる液体
・細胞間の老廃物や異物を運ぶ -
リンパ管
・リンパ液が流れる通り道
・平滑筋や周囲の筋肉の働きで流れる
・逆流防止のための「弁」がある -
リンパ節
・リンパ管の途中にある“関所”のような場所
・リンパ球やマクロファージが集まり、細菌やウイルスを処理する
・風邪のときに腫れるのは免疫活動が盛んになっている証拠 -
脾臓
・胃の後方、左上腹部にある臓器
・古くなった赤血球の処理
・免疫応答にも関与する -
リンパの最終合流点
・リンパ管はだんだん合流して太くなり
・最終的に「鎖骨下静脈」で血液の流れに戻る
👉 ここが試験でよく狙われるポイントです!
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過去問チャレンジ
【2025年 関西広域連合 試験 問65より】
脾臓及びリンパ系に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 脾臓は、胃の後方の右下腹部に位置する。
b 脾臓は、古くなった赤血球を濾し取って処理したり、血流中の細菌やウイルス等の異物に対する免疫応答に関与する。
c リンパ管には逆流防止のための弁がある。
d リンパ管は互いに合流して次第に太くなり、最終的に門脈に合流する。
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
次回の予告
いかがでしたか?こういった選択問題を解くコツはまず、『疑わしきは消せ』。絶対違うと思うものに×を付けていき、合っているものの中からより自信が持てる方を選んでいくとやりやすいですよ。答え合わせのあと、正解を覚えることも忘れずに!繰り返し問題を解けば解くほど確実に身についていきます。次回から過去問題を入れながら、少しずつ進んでいきますので、一緒に頑張っていきましょう。
次回は泌尿器系について学んでいきます。
体の水分バランスを整える重要なしくみを、一緒に整理していきましょうね!
【第9回】第2章 人体の働きと医薬品 泌尿器系(その1:腎臓)