【第19回】第2章 人体の働きと医薬品 Ⅱ 薬が働く仕組み 2)薬の体内での働き
【第2章 2)薬の体内での働き】
こんにちは!登録販売者を目指すみなさん、お疲れさまです✨寒くなってきましたね。店頭でも風邪薬をお求めになるお客様が増えてきました。
ここでは、お薬が体の中でどんな旅をして、どうやって効き目を発揮するのか。そして、いろいろある「剤形(ざいけい)」がどう使い分けられているのかを、見ていきます。
医薬品の仕組みを理解することは、登録販売者として大きな武器になります。
「ちょっと難しそう…」と思うところも、ひとつずつ噛み砕いて進むので大丈夫です。一緒にがんばりましょうね!
ステップ1:薬の体内での旅と作用のメカニズム
● 薬の有効成分が働くまで
薬を飲んだり貼ったりすると、有効成分は体に吸収され、血液の流れに乗って全身へ運ばれます。
そして、体の中にある特定のタンパク質と結びつくことで、薬の効果(薬効)が生まれます。
▼ 主に結びつくタンパク質
- 受容体:ホルモンや神経伝達物質を受け取る役目。薬がここに結合して体の働きを変化させます。
- 酵素:体内の化学反応を進める働き。薬が酵素を強めたり弱めたりします。
- トランスポーター:物質を細胞内へ運ぶたんぱく質。薬がその働きを変えることもあります。
豆知識:鍵と鍵穴のイメージ
有効成分(鍵)が、受容体などのターゲット(鍵穴)にピタッとはまることで作用が起こる、というイメージが分かりやすいです。
● 「血中濃度」と薬効の関係
薬がしっかり効くためには、有効成分が一定以上の濃度で存在している必要があります。
そこで目安となるのが「血中濃度」です。
▼ 血中濃度と効き目の流れ
- 吸収が進むにつれ血中濃度が上昇
- 最小有効濃度(閾値)を超えると効き目が出はじめる
- やがて 最高血中濃度(ピーク) に到達
- その後、代謝・排泄によって濃度が低下
- 最小有効濃度を下回ると薬の効果は消えていく
補足:代謝と排泄
有効成分の代謝は主に肝臓ですが、小腸や腎臓などでも行われます。
代謝と排泄が進むことで血中濃度は少しずつ下がっていきます。
● 効果と安全性のバランス「有効域」
薬は量を増やせば効き目が強くなる…というわけではありません。
- 血中濃度を上げすぎても、一定以上は効果が頭打ちになります
- 濃度が高くなりすぎると、副作用や毒性が出やすくなります
- 多くの全身作用の薬は、最小有効濃度〜中毒域の手前の範囲(=有効域)に収まるよう、用量・使用間隔が決められています
3)剤形ごとの違いと適切な使用方法
薬にはさまざまな形があります。
これは「使いやすさ」「溶ける場所」「副作用の出やすさ」などを考えて工夫されているものです。
● 全身作用と局所作用
- 全身作用:消化管から吸収され、全身に働く(例:錠剤、カプセル剤、経口液剤)
- 局所作用:患部に直接働く(例:軟膏、貼付剤、スプレー剤)
● 主な内服薬の剤形(全身作用)
(a) 錠剤
もっとも一般的な内服薬です。
特徴
- 固形で扱いやすい
- 苦味や刺激を感じにくい
- ただし、飲み込みづらい人もいる
服用のポイント
- 必ず水(またはぬるま湯)で服用
- 水が少ないと喉や食道に貼り付くことも
- 基本的に 噛み砕かない(腸溶錠などは特に注意)
例外的に水なしで服用できる錠剤
- OD錠:唾液で溶ける
- チュアブル錠:舐める・噛むタイプ
(b) 口腔用錠剤
口の中で作用させる製剤。
- トローチ・ドロップ:口や喉の症状に。舐めて溶かす
- 舌下錠:舌の下で溶かして、粘膜から素早く吸収
(c) 散剤・顆粒剤
- 散剤:粉末
- 顆粒剤:小さな粒状
特徴
- 飲み込みやすい
- ただし、口内に残ったり、苦味が強く出ることも
服用のコツ
- 飛散防止のため、少量の水を含んでから服用
- 口に残ったら、さらに水などを口に含み口腔内をすすぐようにして飲み込む。
- 顆粒剤はコーティングされていることも多く 噛み砕かずに水などで食道に流し込む。
(d) 経口液剤・シロップ剤
特徴
- 固形より飲みやすい
- 吸収が比較的早い
注意点
- 成分によっては血中濃度が上がりやすく、不適正使用につながる場合あり
- 子ども用は苦味を抑えるため甘いシロップが多い
(e) カプセル剤
散剤・顆粒・液体などをゼラチンの殻につめた製剤。
ポイント
- 錠剤と似た特徴
- ゼラチンにアレルギーがある人は注意
- 水なしで飲むと喉に貼り付くことがあるため、必ず水(またはぬるま湯)で服用
患部に直接作用する局所作用の薬
● 軟膏剤・クリーム剤
基剤の違いで特徴が変わります。
| 剤形 | 基剤の種類 | 特徴 |
|---|---|---|
| 軟膏剤 | 油性基剤 | 刺激が少ない。乾燥・浸潤どちらの患部にも使える |
| クリーム剤 | 油性+水 | サッと洗い流したい時などに便利。傷口には刺激強め |
● 外用液剤
- 液状で広がりやすく、乾きやすい
- 直接刺激を感じることもある
● 貼付(ちょうふ)剤
- テープ・パップ剤
- 有効成分が長時間とどまり作用が続く
- かぶれに注意
● スプレー剤
- 手が届きにくい部位、広い範囲にも適する
💡 まとめ
- 薬は、有効成分が体の中で受容体や酵素と結びつくことで効果が出ます
- 効くためには「最小有効濃度」を超え、「有効域」にあることがポイント
- 内服薬は基本、水で飲むのが大原則(OD錠・チュアブル錠は例外)
- 外用薬は剤形によって使う場面が異なり、患部の状態で使い分けることが大切

<豆知識:なぜ薬は水で飲むの?>
薬は基本的に「水」か「白湯」で飲むのが一番安全です。
その理由は、薬の吸収や働きを左右する“余計な影響”を避けられるからです。
- お茶のカフェインが作用に干渉することがある
- ジュース(特にグレープフルーツ。免疫抑制剤、高脂血症治療剤、降圧剤など、一部の医薬品は、グレープフルーツジュースを飲むと効果が強く出たり副作用が現れやすくなる恐れがあるので注意。
- 牛乳で一部の成分の吸収が遅れる
- 炭酸や酸の強い飲み物は胃への刺激が強くなる場合もある
こうした影響を避けるため、水が最も“クセがなく、薬が予定どおり働きやすい飲み物”とされています。
とくに、解熱鎮痛薬やカフェイン配合剤など、乱用の恐れがある成分では、飲む環境が一定であることがとても大切。
水で飲むと吸収のブレが少なく、「効かないから追加で飲む」という誤った服用も防ぎやすくなります。
お薬が予定どおり働けるように、決められた量を水か白湯で飲んでいただけるようお伝えできるといいですね。
それではさっそく過去問にチャレンジしてみましょう!
過去問にチャレンジ!(令和7年度・関西広域連合)
【問72】
薬が働く仕組みに関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
- a 全身作用を目的とする医薬品では、その有効成分が吸収されて、循環血液中に移行することが不可欠である。
- b 有効成分が吸収されるにつれて、その血中濃度は上昇し、ある最小有効濃度(閾いき値)を超えたときに生体の反応としての薬効が現れる。
- c 有効成分の血中濃度は、ある時点でピーク(最高血中濃度)に達し、その後は低下していくが、これは代謝・排泄(せつ)の速度が吸収・分布の速度を上回るためである。
- d 舌下錠は、有効成分を舌下で溶解させる剤形で、薬効を期待する部位は口の中や喉である。
| a | b | c | d | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 正 | 誤 | 正 | 正 |
| 2 | 正 | 正 | 正 | 誤 |
| 3 | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
| 4 | 誤 | 正 | 誤 | 正 |
| 5 | 誤 | 誤 | 正 | 正 |
今回の内容で、薬がどんなふうに働くのか少しイメージしやすくなったと思います。
次の記事では、そこから一歩進んで 「症状からみた主な副作用」 をやさしく整理していきます。
どんな症状に気をつければいいのかを知っておくと、薬をもっと安心して使えるようになりますよ。
次の記事も、気軽に読みに来てくださいね!


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